~語彙力薄弱~

やんわり作品レビューなど

レビュー第5回 「キングスマン」を観ました

【レビュー第5回 キングスマン

 

 キャッチコピーと写真でお腹いっぱい?まぁそう言わずに.......。

 話題になってたけど実際に観たことはなかったのでTSUTAYAで借りてきました。もちろんその話題性もさることながら、今回観ることになったのは最後のジェダイ観に行ったときに続編の宣伝やってて気になったからってのも大いにあるんだけども。

 

 さて、とりあえずレビューということで最初に本作について言っておきたいのは、本作がポスターのとおり「ブッ飛んだ作品」だということである。キャラに道具に世界観.......それらの要素がわたしたちの日常から大きくかけ離れた世界を描く、つまりアメコミ原作らしい「現実から」ブッ飛んだ作風を感じることができるのだ~という意味で本作をそう形容しようと思うわけなんだが、ブッ飛んでるのはなにもそれだけではない。

 本作の内容は、スパイ映画作ってる同業者から異端ってかもはや別ジャンルとして扱われかねないぐらいに、同業者の作り上げた「スパイ映画の常識」みたいなものからもブッ飛んでいるのである。

 

 便宜上映画のジャンルとしては「クライムアクション映画」的な位置付けをされている本作であるが、( 個人的には )スプラッターアクションとかに区分されても何らおかしくはないと思うほどに、とびきり過激な戦闘シーンの多さに驚かされる。ってあれ、スパイって隠密行動が基本じゃなかったっけ?もちろんそのはずだ。

 

 「スパイ大作戦」( お前は歳いくつだよ )とか、そこらへんを頭に思い浮かべて考えてみるのが早いだろう。従来のスパイを扱う作品は、中二病アイテムを使って、なるべく人との戦闘を避けて任務を遂行することが多い。だってスパイだからね。

 しかし、本作の中二病アイテムは総じて武器である。戦闘を回避するアイテムではなく、対象の排除または戦闘で有利を取ることが目的とされたものだ。攻防一体仕様のシックな傘、パリッとしたスーツは防弾仕様、そんなスーツに似合う靴には毒刃仕込み、ときた。もう言ってもしょうがないわな、彼らは戦闘を回避する気など毛頭ないのだ。パリッとスーツを着込んだビジュアルからは想像しがたいが、いつでも戦闘態勢は万端なのだ。

 〽弾は飛ぶ飛ぶ、炎と燃えて、ああキングスマン......。弾が飛び交うのだ、誤字ではない。

 ともかく、中二病アイテムを使った(使わないこともあるけどさ)やたらと血の気が多いアクションシーンは、本作の見どころの一つといえるだろう。R-15指定をいいことにやりたい放題、そしてそのどれもがブラックユーモアに満ちた悪趣味なものに仕上がっている(褒めてる)。戦闘パターンは単純明快、スマッシュ(打)・スラッシュ(斬)・スプラッシュ(血)。そしてもちろんお約束の爆発まであるオーバーキル仕様。彼らは相手に手加減する様子など一切ない。敵サイドの殺気もマックス、始まるのはコロシアイ以外に何があろうか......閑話休題

 

 本作の全体的な印象は上記のような感じだが、私は、スーツを着込んだ「上品な英国紳士」と、戦闘シーンの皮を被ったブラックユーモアという「下品の具現化」みたいなものが画面内で同時に存在しているその奇妙なちぐはぐ感が、この映画の面白いところだと思った。「マナーが紳士を作る」なんて、いったいどの口が言ってるんだ?って皮肉っぽく笑うことだろう。「ハマる人はハマる。」その理由がきっとそこにある。

 

 しかしながら、本作はアクション映画だからといってお話がおざなりにされているというわけではない。師匠・頼れる仲間・守るべき家族......みたいな主人公を取り巻く人間ドラマも見ものであり、それらを軸にした主人公の成長物語としての側面も楽しめるアツい出来栄えだ。

 総じて本作は非常に密度の濃い作品であるが、それにもかかわらず、その構成に違和感がない点も素直に評価されるべきだと思う。

 スタイリッシュでアグレッシブというスパイ映画の新ジャンルを開拓し、その分野ではほかの追随を決して許さないキングスマン。もうここまでくるとスパイって何だっけ?ってなったりするが、頭を空っぽにして身を任せてみるのも悪くないぞ!

 

 さて、長々と書いたが、ここからは余談。

 目に先の尖ったものが刺さるとか、頭カチ割られるとかそういう 「リアルに痛い系」のスプラッターアクションが若干苦手なので、見ていてちょっと引き気味になってた部分がありますね。

 いやまぁ花火大会( 直喩 )でもう完全に引き笑いでしたけど。あぁいうの嫌いじゃないけど、とくにそこまで好きってわけではないよ。続編は対象年齢が下がったのでマイルドになってたらいいなぁとか思ったり( まぁそこが好きって人もいると思うけどさ )。 最後に尻より胸派だけど尻もいいねとか書いてみたりするよ。