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弊学での私のあゆみ ~受験編~

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弊学での私のあゆみ ~受験編~

 

 気づいたらそこにいたっていう感じでした。

 

 そもそも私は過去の諸々(ここに書くほどのことではない)からスクールカウンセラーへのあこがれを抱きまして、大学ではなんとなく心理の道を目指すこととしておりました。そう、なんとなくと申し上げました通り、将来のプランなんてものはアバウトなままだったのです。心理学部に入りさえすれば人の話を聞く仕事ができると思っていたんですもの、今思えばただのアホ。見切り発車もいいところであります。

 そんな私が通いやすそうな場所にある大学を3つほど選んだのは高3の夏休みが終わったぐらいでありまして、無論当時の担任は呆れかえり、大きくため息をつきました。というのも、担任は私のことを「運動オンチで体育祭で足を引っ張ったかと思えば、女装コンテスト(大コケした)に出演して踊る物好きでありつつ、昨年度はいじめられたり(勘違い)した何かと話題が絶えない変な奴」と思われていたことが推測されますので、元から私に対する期待値は高くありませんでした。そのため「正直お前そこまで頭よくないのでFランも受けておけ」などとヘイトだかアドバイスだかわからん話を私にして頂くことが叶いましたがもちろん丁重にお断りしました。浪人する覚悟もなかったくせに、そういうところだけは意地張ったという。


 そしてTwitterで暴れ回るだけで学力はたいして向上しない日々はあっという間に過ぎ去り、私はセンター試験の日を迎えることとなりました。運命の日、ここがたぁにんぐぽいんとです。

 世界史は正直勉強が間に合わなかったので、爆死してもそこまでのダメージは受けない無敵の人状態でした。国語も比較的得意な分野でしたし、なおかつ漢文は解かなくてよかったのでかなりの余裕がありました。

 しかし問題は英語でした。気づけば試験開始から膨大な時間が過ぎ去り、猫と人間が入れ替わる話に時間をかけすぎたことに気づいた時にはすでに手遅れ。最後の大問をはじめとしたいくつかの問題には手を付けてすらおらず、約75点分が終了15分前まで手付かずの状態だったのです。

 私はそのとき、生々しい「死」を感じました。それまで私が「死」を感じた瞬間は「函館の坂道で滑って転んだとき」「那須岳(?)の山頂で強風に吹かれたとき」「東日本大震災」ぐらいのものでしたので、4度目の「死」の前で私はあまりにも無力でした。このマークひとつふたつで今後の人生が変わってしまうかもしれないのです。この字を書いたり色が塗ったりできる木の棒を左手に突き刺せば棄権を申請することができるのではとの考えが浮かびましたが、気づけば私は”問題を見るより先に色塗りを始めていました”。気が狂ったのです多分。でもさすがに自己採点はしたいと思い、問題番号と回答用紙のそれを照らし合わせ、いかにも適切な回答がなされたように、やり切った感を出して提出しました。生きた心地がしないとはまさにこのこと、友人と帰りがけに寄ったマックではポテトが無味だったことをしっかり覚えているのです。

 

 しかしその夜、結果が出てみるとおそろしいことに、英語の点数は8割の得点率を記録しておりました。5回ぐらい計算し直してもやっぱり8割。6割取れたら調子が良い日だったな~!と騒ぎ喜びイヌ駆け回るといった私にとってそれは異常事態であり、「ロトが一生当たらない呪い」がかけられた瞬間でした。私は今後、ロト6とかそういうやつを買うことはありません。買っても絶対当たらないと思うので。

 とまあ絶好調だか絶不調だかわけがわからず本格的に開始した受験シーズン。担任には採点ミスを疑われ、塾講師にはカンニングを疑われてもめげずに私は勉強を続けましたが、それ以来特に奇跡は起こらず、他の2つの受験校ではいずれも実力相応の結果を出し、見事に不合格を決めることとなりました。

 そして私は、奇跡の英語を引っ提げて合格した令和だったか平成だったか昭和だったかよくわからん大学への進学を決めることとなるのです。

 これを担任に報告すると、「現役合格おめでとう(桜の絵文字)」と書いた下に「お前きっとお経読まされるよ笑」とか余計な一言を付け加えたメールが返ってきました。残念ながら4年間通ってお経は一回も読みませんでした。担任見てるか?

 

 そして入学手続きをしに来た日。門出と言うには微妙な陽気の日。一緒に来てくれた母は帰り際に「この大学にプリンスホテルのレストランがあるらしい」などと意味不明なことを言い出しました。私は困惑しましたが、実際通う私よりも大学のことを色々調べていた母の言う通り、それはあながち間違ってはいなかったのです。"物は言いよう”と言いますので。

 なんだか居心地の悪さを感じながら、私は1000円のステーキをほおばりました。多分おいしかったと思うんですけど、あれ以来最後まで在学中はカレーしか食べに行かなかったので、レストランのことで覚えているのはカレーの味の方ばかりなのでした。

 

次回は入学~在学編です 多分