~語彙力薄弱~

やんわり作品レビューなど

レビュー第6回 「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」を観てみました

レビュー第6回「フィフティシェイズオブグレイ」

 

※本記事では18歳未満の視聴が禁止されている作品について扱っています。たいそうな話をしているわけではありませんが、念のため苦手な方や対象年齢外にあたる方は閲覧をしない方がよいと思われます。

 

 

 とくにこのブログで私は純真無垢(カマトト )ぶる必要はないと思うゆえ書くのだけれど、18歳になってから~というか むしろなる前から、ビデオやゲームや本にマンガなど成人向けコンテンツにはそれなりに触れてきてしまった私なのだが、今まで18禁映画を観たことはなかった。Vシネマだって「濡れ場」があってもR ‐ 15指定だったし、ましてや企画モノAVなんてここでは論外とする。

 ともかく本作、未体験のジャンルを開拓してくれた作品という意味合いでは、私にとって「処女作」となった、とかいう悪ノリもこの記事では許されそうな気がする。つまりここまでは「前戯」である。

 

【こんなの】
 大学卒業を間近に控える女子大生( イケイケってわけではない )「アナ」は、大企業の若手CEOでどこか冷血な男「グレイ」と偶然の出会いを果たす。どこかぎこちないやり取りをするうち 2人は互いに興味を抱くが、彼への憧れを募らせるアナに対し「僕は恋愛はしない」と冷たく彼女に告げるグレイ。そして彼は謎の「契約」をするようにアナへ持ち掛ける……。


 原作は女性向け官能小説。なるほど、平凡な女子大生のお相手は大企業の若手社長という巷で流行りのカップリングにも頷ける。
 程よくマッチョで頭もキレる金持ちとかいうハイスペックイケメン。でも彼は女性を従属させて性的興奮を覚える野獣系だったからもう大変!!一体私、これからどうなっちゃうの~!?って感じだ。

 そう、本作フィフティシェイズ・オブ・グレイは3部作のシリーズ構成のうちのひとつであり、1部である本作では二人の出会いとその関係の進展が描かれている。しきりに「契約」を持ち掛けるグレイに アナは困惑し、当のグレイ自身にも迷いが生まれ始める……ってこれ進展って言うのか?いや彼らにはそれが必要なんだよたぶん。そんなわけで私も続きが気になるが、本記事では本作の話だけを扱ってみる。

 

 本作の見所として、まず丁寧な心理描写に注目してみたい。といっても 彼らはお互いにそこまで熱心に恋の駆け引き的なものをしている作品ではない( 現時点 )ゆえ、セリフにこもる感情よりも、表情や仕草にその丁寧さは投影されることになる。わかりやすいところだと、グレイの所持する様々な性具を見たアナが、困惑しつつも笑みを浮かべたシーンとかがいいだろう。彼氏が持ってたハードなエロ本を見つけた彼女の反応のそれっぽさが現れているのでは。

 

 そしてその心理描写の丁寧さというものは、ボディランゲージにも当てはまる。すなわち見所2つ目はもちろん「セクシャル描写」である。指先の動きから呼吸の合間の喘ぎまで、本能的なものと感情的なものが入り混じってるように見える。それには役者の演技力はもちろん必要とされるが、カメラワークの影響が非常に大きい。

 企画モノAVとかVシネマとかと本作を一緒にできない点もそれだと思う。ポルノとは違う、理由の存在する行為としてのセックス、すなわち「物語上必要となるセックス」を我々に見せつけてくれる。どうだこれがR指定映画だ!と言わんばかりに。

 そして、そこで際立つのがフェティシズムである。体に陰影をつけて写したり、水を滴らせたりすることにより、映像がより艶めかしくなる……気がする。こういうの映画っぽい(映画だけど)映像で観るとなんか背徳感がすごいんですよ。というかこの話って、思いっきり低次元にすると「水着の女性にオイル塗るとエロく見える」とかそういう話なのかもしれない。

 

 個人的にお気に入りシーンが「グレイがグラスから氷を取り出し、そのまま乱暴に目隠しをされたアナと口付けを交わす。そしてグレイは唾液を絡ませた氷を咥え、彼女の肌で滑らせる……」的なところ。これは完全に作り手のフェティシズムが丸出しになってて、趣味の領域だと思う......いやそのプレイが界隈で一般的なのかどうかは知らないけど。

 

 さて、そんな本作だが 私はグレイがアナの処女を奪うシーンだけは気にくわない。乱暴すぎて若干レ○プっぽいし、なんか都合が良すぎるのでは?とか思うけれど、女性向け官能小説ってこんなもんなんだろうか。私がこういうジャンルで昔読んだのは「結婚したのか……?俺以外の奴と……?」って感じの作品だった記憶があるだけなので、こちらもなんとも言えないわけだが~ううむ、こういうこと語ろうとすると多方面に渡る経験不足が露呈するよね。

 

 とまかくまとめをすると、本作だけでは話が中途半端すぎるので、前述したように細かい点の評価はできるとして、本筋の評価をするとなると「微妙」としか言えない。3作品全て観るまで~というか少なくとも次を観るまでは人にオススメするべきかまだ決心がつけられないのだ。ここで人に何か言うとすれば「たまには過激な恋愛映画ってものを観てみるのもいいかもしれない」としてみることにする。きっと感性の刺激になることだろう。

 まぁ自分がその映画にターゲットとされてないと思ったりするけど、どんな映画にも興味だけは幅広く持っておきたいのである。その方が世の中面白い。まぁ今回はこの辺で。

 

 私は今度ジョン・ウィックを観たいと思う。が、次回のレビュー内容がそれになるかどうかは未定です。気分で変わるので。いや下書きもいっぱいあるんですけども……。

 

 

余談:日本語吹き替え版だとグレイの声優が津田健次郎である。社長が社長の役を演じるのは狙ってるのかと思ったりする。